2020年8月末にとある方からご好意で頂いたウヴァイア ( ナシノミウバーリャ )の苗。
ユーゲニア パトリシーの記事の中で、
「ブラジルに同じフトモモ科でUbaia(ウバイア)とUvaia(ウヴァイア)があり、現地人はこの2つを「b」と「v」の違いで全く別物だと解釈できるが、日本人は「バ」と「ヴァ」の違いがわかりにくい。混乱を避けるため ユーゲニア パトリシーという掲載名にする。」
といった内容の記述をしているが、こちらがそのもう一方の「ウヴァイア」である (ユーゲニア パトリシーは「ウバイア」)。こちらの学名はユーゲニア ピリフォルミス。
ちなみにユーゲニア パトリシーの事を「ウバイア」と日本語で書かれたものを見たことがなく、むしろこちらのユーゲニア・ピリフォルミスを「ウヴァイア」のはずが「ウバイア」と書いたものはチラホラ見かける。日本人にとって 「ba」と「va」のどちらも「バ」と解釈され「ウバイア」なのだ。
このように、日本では「ウバイア(含ウヴァイア)」を ユーゲニア・ピリフォルミスの事だと認識されているため、今後こちらを「ウヴァイア」として管理する。 また、括弧書きで( ナシノミウバーリャ )を付ける。橋本梧郎先生の「ブラジルの果実」には(新称)としてナシノミウバーリャとされているからだ。「ピリフォルミス」とは「洋梨形の」という意味なので、「ナシノミ」を付けられたのだろう。
まず最初の冬は加温ハウスの第1棟で越冬させる。
<2020年8月23日>
<2020年9月20日>
難なく越冬した。全く葉が落ちなかった。
<2021年2月22日>
<2021年8月9日>
<2021年8月15日>
今年の冬は無加温ハウスの第2棟で越冬させるため、第2棟に移した。
<2021年9月23日>
<2021年10月24日>
<2021年11月23日>
<2022年1月3日>
無加温ハウス第2棟でも難なく越冬した。
<2022年3月21日>
2022年の冬は露地越冬にチャレンジさせるため、露地植えした。
<2022年5月7日>
<2022年6月12日>
<2022年7月16日>
<2022年8月15日>
<2022年9月25日>
<2022年10月8日>
<2022年11月3日>
冬の間に不織布をかけるため、アーチ状の支柱で周囲を囲った。
<2022年11月6日>
<2022年11月27日>
不織布をかけた。
<2022年11月28日>
全く問題なさそうだ。
<2022年12月30日>
全く問題なく露地越冬できた。次の冬は不織布もかけずに越冬させよう。
<2023年3月19日>
<2023年5月2日>
<2023年6月10日>
<2023年7月16日>
<2023年8月17日>
<2023年9月18日>
<2023年10月9日>
<2023年12月10日>
他の露地越冬させる苗には不織布をかけたが、このウヴァイアにはかけなかった。
<2023年12月30日>
<2024年2月4日>
無保護でも全く問題なく露地越冬できた。
<2024年2月25日>
花芽が無数に付いた。数えきれない。
<2024年5月6日>
花が満開に咲いた。
<2024年5月26日>
花が全部終わった。
<2024年6月1日>
<2024年6月2日>
いくつか果実が肥大してきている。
<2023年6月16日>
意外な事に、果実はピンポン玉サイズにまで肥大した。これでもまだ青いのだが、どこまで肥大するのだろう。
<2024年6月23日>
果実が肥大し、相当な数の果実が付いている事が見えるようになった。肥大した果実の数を数えてみると45個付いていた。
<2024年6月29日>
1つ、オレンジがかった色になっているまん丸い形の果実があったので収穫してみた。半分に割って父と分けて食べてみた。割る時に果汁が凄くて手がビチャビチャになった。真ん中に小ぶりの銀杏程の大きさの種が1つ入っていた。口に入れた瞬間、酸っぱい果汁が口に溢れた。酸っぱさも甘さもグレープフルーツぐらいか。味に癖は無いが、酸っぱいばかりでそんなに美味しいものではないと思った。皮は吐き捨てた。
<2024年6月29日>
その日、もう1つ樹にオレンジがかった色の果実が地面スレスレの辺りになっているのを見つけた。収穫してみると果皮が何ヶ所か傷んでいたが食べる分には問題なさそうだったので、今度は丸ごと1個、口に放った。1つ目よりはやや甘く、酸味も抑えられていたが、やはりかなり酸っぱかった。
<2024年6月29日>
その翌日、1つ赤い斑点が付いて熟れてそうな果実が付いていたので油山農園に来ていた弟に食べさせたら、同じく眉間にシワを寄せて酸っぱがった。
< 2024年6月30日>
あと1つ、まだ黄色いが、ややオレンジがかった色の果実があったので、その日農園に来ていたある女性に食べてもらうと、皮ごと噛んで飲み込んだ。そして「皮にクセがある。」と言った。なるほど、今まで皮を吐き捨てていたので分からなかったが、皮にクセがあるのか。
<2024年6月30日>
果実が地面スレスレの位置に沢山なっていて、熟したときに小動物や虫に食べられそうなので、残り40個程の果実全部にネット掛けした。
<2024年6月30日。2枚目はネット掛けした後。>
1週間後、楽しみに油山農園に行って見ると、なんと!10個以上が熟し過ぎて茶色くなってネットの中に落ちていた。花芽が付いて花が咲き、子房が膨らんで果実が肥大し、色づいて熟して腐れ落ちるまでのスピードがもの凄い早さだ。これなら1週間前にやや黄ばんできていた果実は早めでも収穫して追熟させるべきだった。
茶色くなる寸前のオレンジ色が濃くなっている果実を手にとると、良い香りが漂った。マンゴーそっくりのトロピカルな香りだ。口に放ると、なんと!甘くてジューシーで美味しい。口の中で大量の果汁がブワッと広がる。味は酸味も残っているが、甘みが出て酸味が弱まっており濃い味になっている。
今度は、それよりかは少しオレンジ色が薄い果実を手にとり匂いを嗅ぐと、やはりマンゴーのような香りがする。食べてみると今度は物足りない。香りから連想される甘くて濃い味に対して、実際の味は甘味がまだ引き出されてなく、酸っぱさが強くコクが足りない。
つまり、食べ頃をほんのわずかに見誤るとそれだけで美味しさがずいぶんと変わってくる、という事だ。
この日の時点で茶色くなってしまった果実や、オレンジがかった色の果実は全て収穫した。オレンジがかった色の果実は若手の同志他、食べてみたいという方々に献上した。 茶色くなってしまった果実は種を取り出して、それも欲しいという方に献上した。あと半分ぐらい樹に残っている。
<2024年7月6日>
1週間後、8つは完熟後にネット内に落果し茶色くなってしまっていた。また、別の8つが完熟してオレンジ色になっていた。全て収穫し、残る樹上の果実は3つとなった。
<2024年7月13日>
残る3つの果実を収穫した。1つはまだ黄色かったが、1週間後の収穫では遅すぎるので収穫して追熟させる。
<2024年7月15日>
<2024年9月8日>